サンフランシスコからコペンハーゲンへ
7年前、サンフランシスコの美術大学を卒業した私は、デンマークで内装デザインの仕事をしたいという夢を持っていました。アーネヤコブセンのような巨匠と言われる人たちの作品は本でよく見ていましたし、洗練されたバランスの良いデンマークのデザインにとても魅了されていました。右も左もわからなかった私はとりあえず、観光ビザでデンマークを訪ねることにしました。
コペンハーゲン中央駅に着いたのは確か10月だったと思います。冬の訪れが早い北欧はもうすでに寒かったです。でも、今でもはっきり覚えているのは、電車を降りた瞬間から、デンマークを好きになった気持ちです。
幸せな国に来たって幸せになれるとは限らない
観光ビザでデンマークに入ってから仕事探しを始めました。そこでデンマークのシビアな部分を見た気がします。仕事探しがとても大変でした!私は大学を卒業したばかりであまり経験がなかったからかもしれませんが、安定した仕事を探すのは苦労しました。デンマークは幸せの国と言われているけれど、この国に来たからって幸せになれるとは限らないと痛感しました。
私のボス、トーマスがたまたま私と同じサンフランシスコの美術大学を卒業していました。そんな縁もあり、会社が日本との仕事をし始めた時期だった事もあり日本人の私を気に入ってくれて、今働いているOeo studioで仕事を見つけることができました。私はとても運がよいと思いましたし、人同士の繋がりも感じました。
時間を効率良く使うことを大切にするデンマークの働き方
仕事を始めてみて感じたことは、ここのオフィスの人の働くスピード感です。打ち合わせをしていても、次へ次へと進むスピードがとても早いです。だからと言って途中が抜けているのではなくて、起承転結がはっきりしています。一つ一つのステップを効率よく計画的に進めていく事を大事にしているんだと思います。ですので、残業もあまりないです。9時から5時までの就業時間内にいかに高いパフォーマンスを出せるかということ重要視しています。ランチなんかも20分ほどで食べます。その分、集中を分断されないので、とてもいいと思います。
高い生産性を上げるのには良いチームワークは欠かせないと思います。ですので、コミュニケーションの場となるランチは、可能な限りみんな一緒に食べます。打ち合わせで少し遅くなるような人がいれば、終わってから、みんなで食べます
もっとも大切にする仕事後のリフレッシュとインスピレーションを受ける時間
1日の中でもっとも大事にしているのは仕事が終わった5時から7時までの2時間です。自分ではこの時間を自分のために充てる時間だと考えています。近くの公営プールで泳いだり、散歩をしたり、リフレッシュする自分の為だけに使うこの時間をとても大事にしています。この時間が仕事をする上でとても大事になっていますね。
家の近くにfælledparkenという、コペンハーゲンで市内で一番大きい公園があります。そこの木が大きいんですよ!そこを散歩しながら、木の持つ美しい曲線や様々な植物や花、紅葉時期の葉っぱの色などからクリエイティビティのインスピレーションを受けることが多くあります。
オフィスでも話題にでるデンマーク人の環境問題への課題意識の高さ
オフィスでランチの時によく同僚と環境問題について話すことが多く、みんなの関心を集めていると思います。オフィスでも出来るだけ、食べ物を無駄にしないように心がけていますね。
10年以上前、私が大学の講義で初めて環境問題に興味を持った時、それはまだ遠くの話のようでしたが、今は現実問題としていろいろ起こっているのが、心配ですね。だた不安を抱くだけではなく一人一人、一つ一つのどんな行動が出来るのか、更に情報を集め共有して行きたいです。
一日のスケジュール
- 7:30 起床
- 8:00 朝食
- 8:30 会社へ向かう
- 9:00 仕事開始
- 12:00 昼食
- 13:00 午後の仕事
- 17:00 帰宅、自由時間
- 19:00 夕飯
- 20:00 再び自由時間
- 22:30 ベッドへ
- 0:30 就寝