花器がなくても楽しめる。花で暮らしを彩るアイディア

フラワースタイリストの守屋百合香です。

コロナ禍で、家で過ごす時間が長くなったためでしょうか。以前よりも、家に花を飾る人が増えたように感じます。そんな方々からよく相談されるのが、「買ってきた花を、家のどこに活けたら良いのかわからない」「手持ちの限られた花器にセンス良く花を飾りたい」ということ。

花を暮らしに取り入れるためには、大それた技術もたくさんの花器も、実は、必要ありません。ほんの少しの工夫で、色々な花の楽しみ方ができるのです。今回はそんな暮らしに花を取り入れるヒントを少しだけご紹介できればと思います。

花器に代用できるもの

家の中を見渡せば、花器の代わりになるものがあちらこちらに見つかります。たとえば水差しやボウル(食器)、ガラス容器(ジャムの空き瓶でも構いません)などがあれば、充分、花活けを楽しむことができます。

水差しを使った投げ入れ

水差しは、注ぎ口のところに花が引っ掛かりやすく、花の投げ入れに適した形です。取手の部分も、良いアクセントになってくれます。注ぎ口に向かって一方向に流れるように花を活けるのがおすすめ。

ばらばらの方向に活けるよりもまとまりやすく、洗練された雰囲気にもなります。季節の花を一種類または数種類組み合わせて、リビングなど広い空間に置いて楽しみましょう。

食卓を彩るおもてなしの花

テーブルセンターには、花器とブーケが一体になったアレンジメントを。ドライになるようなグリーンでガラス容器をぐるりと囲めば、あっという間に花器の出来上がり。その中にブーケを仕込むと、おもてなしの食卓にもぴったりのアレンジメントになります。もっと気軽に楽しむなら、ジャムの空き瓶に落ち葉を貼りつけ、花を数本活けるだけでも。

ドライになりやすいグリーンたちを中心に。これからの季節ならコニファーなどがおすすめです
ドライになるようなグリーンでガラス容器をぐるりと囲んでいきます
中央に活けるお花にも、花器部分と同じグリーンを使用して一体感を
Information

こちらのアレンジメントは近日代官山greeniche店舗にてワークショップを行います。ご興味ある方はぜひご参加ください。

『フラワースタイリストに学ぶ。心と暮らしを満たす、お花のワークショップ』

■ 日程:11/28(土)・11/29(日)
■ 時間:
・第1部 11:00-13:00
・第2部 14:30-16:30
(各回120分 / 作業時間により早めに終えることも可能です。)
■ 場所:グリニッチ代官山
■ 定員:各回6名程度
(お子様の同伴は可能です。申込時にお知らせください。)
■ 参加費:
①フラワーアレンジメント(大きいサイズ) 8,000円
②フラワーアレンジメント(小さいサイズ) 5,000円
(当日は、参加費として現金をご用意くださいませ。)

イベント詳細ページ・お申し込みフォームはこちら

料理にも使えるハーブのキッチンスワッグ

キッチンにグリーンがあると、料理や洗い物だって気分良く捗るもの。ローズマリーやミントといった香りの良いハーブ類をざっくりまとめて、吊り下げてみてはいかがでしょう。ドライになったハーブは肉料理や煮込み料理にも使えて、一石二鳥です。

スワッグの根元は紐で縛っておき、ラックなどにワイヤーでくくりつけます。

洗面所には一輪挿しを並べて

毎朝身だしなみを整える洗面所には、花もクリーンなイメージで活けたいものです。すっきりと活けられる一輪挿しに、花もいろいろな種類を混ぜず、シンプルに。できれば高さを変えて2、3個並べると、一輪ずつ活けるだけでもリズム感が生まれ、空間がぐっと華やぎます。

水に浮かぶ花が出迎える玄関

ウェルカムフラワーには、水を張ったボウルに花を浮かべて。お客様をお迎えするときはブーケなどを飾っても良いですが、毎日帰宅して最初に目にする玄関の花は、このぐらいのさりげなさがちょうど良いように思います。この場合、花の種類はファレノやシンビジウムなどの蘭がおすすめです。

まずは一輪、花屋で好きな花を選び、家に飾ってみてください。はじめは洗面所など、毎日必ず目にする場所が良いと思います。飾った花がもたらすものは、見た目の美しさだけではありません。花の水換えが習慣になると、そのたった5分のルーティンに、心癒されたり元気をもらえたりすることに気がつくはず。

毎朝5分早く起きたくなるような、人生の楽しみを増やしてくれるのが、花のある暮らしなのです。