北欧家具の中でも名作と言われるJ39。
僕が所有している椅子の中でもお気に入りの椅子の一つです。
実はこのJ39の第一印象は地味な椅子だなあと思い、
もっとカタチや座り心地に特徴がある椅子にばかり目が奪われていました。
そんな印象に変化が訪れたのは建築設計事務所で働き始め、暮らしや生活を考え始めた時。
日々仕事をしながら、どんなに居心地の良い空間を作り上げても実際に触れたり、座る家具が魅力的でないと上質な空間にはならないと感じることが多くありました。
魅力的な椅子は北欧家具に限らず数多く存在します。
中には彫刻作品と見間違いそうになる立派な椅子もあります。
でも1番の安らぎの場である”家”で使う椅子は肩肘を張らずに使えるモノが良い。
僕の暮らしに寄り添ってくれるようなそんなシンプルで飽きのこないモノが良い。
ぼんやりとそんなことを考えながら椅子を見ている時に目に留まったのがJ39。
地味だと思っていたその椅子が、シンプルかつ端正な印象に様変わりした瞬間でした。
我が家に迎え入れたのはスモークドオークの仕様。右後ろ脚には虎斑の模様があり、その模様を見る度に愛着が溢れ出しそうになります。
10年後、20年後、30年後、はたまた半世紀後この椅子に僕の日常が刻まれて、どう変化していくか今から待ち遠しいです。